はじめに|球速が戻っても、満たされなかった
高校1年の冬を越えて、
球速は130km台前半から135km前後まで戻ってきた。
先発として投げ切れる体力もついた。
「冬にやってきたことは、間違ってなかった」
そう思えたのは事実だった。
でも同時に、
心のどこかで、こんな気持ちもあった。
「まだ全然、理想には届いていない」
140kmには届かない。
周りから見れば、
“普通に投げられる投手”。
ここからどう伸びるのか。
その答えは、
球速以外のところにあった。
「今の実力は、すぐには変わらない」
当時、コーチから言われた言葉がある。
「140km投げたい気持ちは分かる。
でも、今の実力は急には変わらない。
じゃあ、その実力の中でどう抑える?」
この言葉は、かなり刺さった。
球速を上げる努力は続ける。
でも、それと同時に
「今の自分で勝負する力」
を身につけなきゃいけない。
そこから、考え方が大きく変わった。
フリーバッティングで始めた“実戦想定”
まず意識を変えたのが、
フリーバッティングでの投球。
ただ投げるだけじゃなく、
状況を自分で作るようにした。
たとえば、
- ノーストライク・スリーボールからスタート→ 次がボールなら四球。大ピンチ。
- ランナー1塁想定→ 盗塁を警戒してクイックを速くする。
- ランナー2塁想定→ 1塁は空いている。四球OKの気持ちで、バッターに集中する。
こうやって
常に「試合の中」で投げる感覚を作った。
球速以外で、投手は差をつけられる
この時期に強く感じたのは、
投手は、球速だけで勝負しているわけじゃない
ということ。
- クイックの速さ
- テンポの良さ
- カウントを悪くしても、崩れない強さ
- フルカウントまで粘れるメンタル
こういう部分は、
今の実力のままでも磨ける。
そして意外と、
ここを本気で意識している投手は少ない。
「投球術」を学び始めた冬から春
冬の間、技術だけじゃなく
投球術を意識して勉強した。
- どのカウントで、何を投げるか
- バッターが嫌がるテンポ
- フォアボールの価値
- ヒットを打たれても慌てない考え方
試合を想定しながら、
練習でも同じ意識で投げ続けた。
そして高校2年生になり、
シーズンが始まってからは
それを実際の試合で試すようになった。
エースじゃない。でも、信頼される投手に
結果として、
エースにはなれなかった。
でも、
- 「この場面、あいつでいこう」
- 「試合を壊さない投手」
そう思ってもらえる存在にはなれたと思う。
球速が圧倒的じゃなくても、
試合を作れる投手。
高校に入ってから、
一番成長したのは、
この“投手としての考え方”だった。
球速至上主義から抜け出せた理由
正直、
140km、150km
という数字への憧れは今もある。
でも、高校2年のこの時期に、
- 球速がすべてじゃない
- 勝負できる要素は他にもある
- 今の実力の中で、最大限やれることがある
そう気づけたのは、
その後の野球人生にとって
かなり大きかった。
この経験が、今につながっている
今、僕が
- 「考え方」を大事にした発信をしている理由
- 技術だけじゃなく、判断や準備を伝えたい理由
その原点は、
この高2の投球術の経験にある。
才能がないから伸びない。
球速が遅いから通用しない。
そう決めつける前に、
考えられることは、まだたくさんある。
※この記事は、
高校1年生で球速が140km近くから130km未満
まで落ちた経験の続きです。
▶ 努力しているのに球速が落ちた理由|
高1ピッチャーだった私の失敗




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