── 大学時代に気づいた守備の本質
下級生の現実は「球拾い」から始まる
全体練習になると、
優先されるのは当然ながら上級生です。
フリーバッティングでは、
下級生が外野に出て、
ひたすら球拾いをする時間が続きました。
野球を経験された方であれば、
想像しやすい光景だと思います。
当時の正直な気持ちは、
- 早く自分も打ちたい
- いつまで球拾いなのだろう
- 自分は何をしているのだろう
そんなことを考えながら、
どこか集中しきれずに守っていました。
ふとした気づきが、考え方を変えた
ある日、少し気が抜けた状態で
球拾いをしていた時のことです。
球拾いは、
評価される練習ではありません。
細かく指摘されることも少なく、
多少失敗しても大きく問題になることは
ありませんでした。
その時、
ふとこんなことを思いました。
「これは、思い切ったプレーができる環境なのではないか」
ふざけられるということは、裏を返せば
失敗を恐れなくていいということです。
この瞬間から、
球拾いの見え方が大きく変わりました。
球拾いを「自分の練習」に変えた瞬間
そこから、意識を変えました。
どうせ球拾いをするのであれば、
この環境でしかできないことを
やってみようと考えたのです。
- 思い切って打球を追ってみる
- 自分はどこまで追えるのかを確かめる
- この角度ならスライディングで間に合うのか
フェンスをよじ登ってホームランキャッチをする
というような大げさなことではありません。
しかし、自分なりの守備を
球拾いの中で追求するようになりました。
球拾いは、外野手にとって最も自由な練習
改めて考えてみると、
球拾いほど自由度の高い守備練習は
ありません。
- 守備位置の制限が少ない
- あらゆる方向から打球が飛んでくる
- 評価よりも安全が優先される
怪我をしないこと、
他の選手とぶつからないことさえ守れば、
基本的には自分の判断で守ることができます。
これは、外野手にとって
自分の感覚を試すことができる、
貴重な時間だと感じました。
ノックや試合では得られない感覚
ノックや試合では、
外野に飛んでくる打球の数は限られています。
しかし、
球拾いでは状況がまったく異なります。
- フリーバッティングが複数箇所で行われていれば、複数方向から打球が飛んでくる
- 強い打球もあれば、弱い打球もある
- 高さや角度、距離も毎回異なる
その中で、
- この打球は追える
- ここから先は無理をすると怪我につながる
- この角度ならスライディングが最適だ
といったように、
自分の守備範囲の限界を
感覚として理解できるようになりました。
球拾いが覚醒のきっかけになった理由
この経験を通して強く感じたのは、
外野守備は技術だけで成り立っている
ものではないということです。
- 打球をどう見るか
- どこまで追うか
- どこで止めるか
こうした判断は、
経験によって磨かれます。
球拾いは、その判断を
安全な環境で何度も試すことができる練習でした。
それが、外野手としての自分の軸を
作ってくれたのだと思います。
外野手が最初に取り組むべき練習として
外野守備を上手くなりたいと思っていても、
- 何から始めればいいのか分からない
- 判断が遅いと言われる
- 試合で打球が怖くなる
こうした悩みを抱える選手は少なくありません。
そのような選手には、
まず球拾いに対する意識を
変えてみてほしいと思います。
この練習は、
- 小学生でも
- 中学生でも
- 下級生でも
誰でも取り組むことができます。
特別な技術は必要ありません。
一つでも目標を持って打球を追うだけで十分です。
バカにされがちな練習ほど、可能性を秘めている
最初は、
ふざけ半分でも構いません。
しかし、球拾いを
「ただの作業」にするか
「自分を成長させる時間」にするかで、
外野手としての伸び方は大きく変わります。
球拾いは、外野手が最も自由に挑戦できる練習です。
この練習は、決して軽く見てはいけない
と感じています。
最後に
上手くなりたいと思った時、
派手な練習や特別なドリルに
目が向きがちです。
しかし、
環境の捉え方を変えるだけで、
成長のきっかけは身近なところにあります。
もし今、
「自分はチャンスが少ない」と感じているのであれば、
その時間こそが、
外野手として覚醒する入口かもしれません。



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